バニシングツイン⑤ 出血と流産

不安な気持ちで迎えた診察の日。

先週と同じように7:30に受付に診察券を入れに行って、9時になるのを待って再び病院へ行きました。この日はいつもより空いていて、待ち時間40分程で診てもらうことができました。

「変わりなかったですか?」という先生の質問に、先週診察があった日の次の日に少し茶色い出血があったということを話すと、「あぁ…」と何か悟ったような、神妙な顔つきをされました。

そして「じゃあどうぞ」と診察台へ上がり、不安でドキドキしながらも食い入るようにエコーのモニターを見ていると、映し出されたのは先週より少し大きくなった胎芽と卵黄嚢が見える右下の胎嚢と、空っぽな左上の胎嚢でした。

ああ、いなくなってしまった…。

言葉では上手く言えませんが、『喪失感』でいっぱいでした。
先週は確かに見えていた勾玉のような胎芽はどこにもおらず、真っ黒な胎嚢。

先生はしばらくいろんな角度から胎芽を探していましたが結局見えることはなく、やっぱり一人はダメだったな、とこうなることを想定していた口調で言われ、何も返事ができませんでした。

なんとなくそんな予感はあったはずでした。でもそうならないことをずっと祈っていて、だからこの状況にとてもうろたえてしまいました。

哀しさと、無念さと、虚無感。そして、まだこの事実を受け入れられず心のどこかで『本当は隠れていてエコーに映らないだけで、まだ生きているんじゃないか』と願ってしまう少しの“希望”。
それらが入り混じったような感情に包まれしばらく何も考えられずにいました。

診察室に戻ると先生が色々話していましたが半分も耳に入ってこず、「では最初多胎妊娠でしたが単胎妊娠になりました」「念の為に尿検査をしてから帰ってください」という言葉にだけなんとか反応し、診察室を後にしました。

 

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